近年のビッグデータ、オープンデータ、AI等、多くの情報関係の技術が加速して進む中で、自動運転や無人決済等、世界的には技術開発と社会実装・展開の両輪が一体となってスピーディに実装されるケースが増えつつあります。そうした中で、世界の様々な最先端の研究に伍して都市管理に関する様々な情報技術を磨きつつも、迅速に社会実装を行い、現地の課題感覚を鋭くフィードバックできる事が重要になっています。
一方、それらと並行して、各地域が特定の主体等に依存し過ぎない、データ管理技術や、草の根の人的ネットワークの構築等、自律したスマートシティの技術基盤の涵養をアカデミックの立場から行っていく事も重要です。東京大学生産技術研究所では、これまで「統合的都市インフラサービス」研究グループの活動や平成30年度生研展開研究「都市インフラのスマートなオペレーションのための統合的情報基盤の構築」として活動を行ってきました。
この成果をより体系化・組織化を図るために、防災、交通、建物、インフラ構造物、地域経済等、都市運営の各分野を見据えつつ、都市情報基盤のグランドデザイン・コンセプトを描き、実際に規模の異なる都市をいくつか選定していきます。またインフラに関するデータや運営のためのソフトウェア等から構成されるデジタルシティを構築し、各地域のステークホルダーと連携しながら実証を行っていきます。
これらの検討の活動を通じて、若手や専門技術者、研究者の人材育成を行い、全国的なネットワークを構築していく予定です。